9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
その後もデズモンドには何度か話しかけられたが、セシリアは素っ気ない態度を取り続けた。

というより、身体が勝手に反応して、彼を拒絶してしまう。

それでもデズモンドは気にしていないようで、セシリアに対して一貫して優しく、いつ何時も淑女のように丁重に扱った。

オルバンス帝国に行くには、セレスという小国をひとつ越えなければならない。

そのため、半月の時間を要した。

毎夜宿には泊まったが、デズモンドとは別の部屋だった。

出会ってすぐに情を交わしたような関係なのに、初日に頬に触れてきて以来、手にさえ触れてこない。

(大人の対応をなさっているけど、私がつまらない女だと気づいて、きっともう飽きられたのだわ)

エヴァンを何度も殺した相手と、もう二度と身体を重ねたくはない。

セシリアはそう解釈し、デズモンドが身体の関係を求めてこないことに、ホッと胸を撫で下ろしたのだった。
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