9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
ドレスは、薄いグリーンのシンプルなものだった。

胸の下に切り替えがあり、裾まで見事なドレープを描いている。このような形のドレスを着るのは、何度も人生をやり直しているセシリアでの初めてだ。

「我が国の伝統的なドレスです。清楚な雰囲気だから、思った通りセシリア様にぴったりですね。もとの肌がお美しいから、お化粧はあえて控えめにしてあります」

セシリアの驚きように、エリーが満足げに鼻を鳴らした。

「すごいわ、エリー。あなたって、天才よ」

七回目の人生で、セシリアはエヴァン好みの女性になれるよう、おしゃれや美容を特訓した。

その際はマーガレットを参考にして、赤やピンクなどの派手派手しいドレスを身につけ化粧も色濃くしたのだが、エヴァンはよりいっそう嫌悪感を示してきた。

どうやら、ああいったドレスや化粧は、セシリアには似合わないらしい。
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