9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
今のセシリアの姿はマーガレットのような女性がタイプのエヴァン好みではないかもしれないが、エリーの言うように、セシリアの良さを上手に引き出してくれていた。

「ふふ、そう言ってくださってうれしいです。それにしても、我が国の伝統ドレスが本当によくお似合いですね。セシリア様は、オルバンス帝国にいらっしゃる運命だったのかもしれませんわ」

(オルバンス帝国に来る運命? そんなわけがないわ)

嬉々として語ったエリーの言葉を、セシリアは心の中で否定する。

エヴァンを救うというセシリアの役目は、ようやく終わった。

本当は処刑されるつもりだったが、ひょんなことから、オルバンス帝国で惰性による人生を送ることになっただけだ。

(でも、エリーに会えてよかった。生きてたらいいこともあるものね)

次はどんなドレスにしましょうか、などときゃぴきゃぴはしゃいでいるエリーを見ながら、セシリアは密かに小さな幸せを感じたのだった。
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