9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「ごめんごめん。あのデズモンドが他国から令嬢を連れ帰ったっていうから、興味深々でね。何せ女にはまったく興味がなくて、一時期は男好きっていう噂まで流れていたような奴なんだ」

「え……? デズモンド様には、私以外にお妃様はいらっしゃらないのですか?」

「ああ、そうだよ。頑なに妃を娶ろうとしないから、父上もほとほと困り果てていたんだ。皇帝の座にはついても、子作りは私に任すなんて勝手なことを言ってね。戦いと政治しか脳内にないようなやつだから」

やれやれ、と肩を竦めて見せるグラハム。

思いがけない言葉に、セシリアは目を剥いた。

「でも、後宮にはたくさん妃がいらっしゃるではないですか」

「ああ、彼女たちかい? 彼女たちは皆父上の側妃だよ。正妃は亡くなっていて、不在の状態なんだけどね。あの年でしかも病がちだというのにお盛んで、困ったものだよ。ちなみに私にも、まだ妃はいないけどね」
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