9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
そのためデズモンドは、セシリアをかなりの魔法の使い手と勘違いし、妃として娶ろうとたくらんだのだろう。

強大な魔力を持つ己と妃で、オルバンス帝国をより発展させようと考えたと想像できる。

極秘情報ではあるが、多量の情報網を持っていそうな彼のことだ。

セシリアが自分と身体を重ねたことによって聖女の証を剥奪され、お払い箱になるであろうことも、どこからか聞きつけたに違いない。

(だから元聖女のくせに魔法が使えないと知ったら、態度を変えるはずよ)

さっそく飽きられているとはいえ、後宮に上がるわけだから、この先また閨事を要求されるかもしれない。

そうならないための決定打を打つためにも、セシリアは自分の汚点を暴露することにしたのだ。

するとデズモンドは眉根を寄せ、物思いにふけるようにじっとセシリアを見る。

(ほら、やっぱり。困っていらっしゃるわ)

だがセシリアの耳に届いたのは、意外な返答だった。
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