9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
デズモンドがセシリアを連れ帰った意図がますます分からなくなったセシリアは、狼狽しつつ、ソファーにストンと腰を下ろした。

ループ人生の中で、エヴァンを四回も殺した残虐皇帝。

さまざまな悪い噂を耳にしてきたセシリアは、彼のことを、人の心を持たない醜い獣のように想像していた。

だが実際の彼は、落ち着いていて大人で、一緒にいると心が安らぐ。

これからどんな風に彼に接したらいいか分からなくなり、セシリアはむず痒い思いを抱えていた。



だが、セシリアの悩みは杞憂に終わった。

そのときを最後に、デズモンドが一切セシリアに会いに来なくなったからだ。

セシリアは妃教育を受けながら、後宮での日々を過ごすことになる。

教育係が訪れないときは、王城内の図書館に行き、本を読みふけった。
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