9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
ひとりの妃が、通り過ぎるセシリアにあからさまな侮蔑の視線よこし、扇子越しにクスリと笑う。
横を通過しただけで、鼻が曲がりそうなほど、甘ったるい香水の匂いが漂う。
「そうよ。後宮にいらしてから、デズモンド様の御渡りが一度もないって噂じゃない。悪く言っては駄目よ、お気の毒だわ。やはりジゼル様の魅力には叶わなかったってことね。ジゼル様の後宮入りはいつなのかしら?」
「たしかにおっしゃる通りだわ。美しくて多才なジゼル様がいらっしゃる限り、あんな異国の女の出る幕はないわね」
(ジゼル様?)
初めて聞くその名前に、セシリアは引っかかりを覚える。
そのため本を借りたあと、自室に戻ってエリーに訊ねると、すぐに答えが返ってきた。
横を通過しただけで、鼻が曲がりそうなほど、甘ったるい香水の匂いが漂う。
「そうよ。後宮にいらしてから、デズモンド様の御渡りが一度もないって噂じゃない。悪く言っては駄目よ、お気の毒だわ。やはりジゼル様の魅力には叶わなかったってことね。ジゼル様の後宮入りはいつなのかしら?」
「たしかにおっしゃる通りだわ。美しくて多才なジゼル様がいらっしゃる限り、あんな異国の女の出る幕はないわね」
(ジゼル様?)
初めて聞くその名前に、セシリアは引っかかりを覚える。
そのため本を借りたあと、自室に戻ってエリーに訊ねると、すぐに答えが返ってきた。