9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
だからセシリアをエンヤード城からさらうような形でオルバンス城に連れ帰った当日、祖国の伝統衣装に身を包んだ彼女を見たときは衝撃だった。

心の奥底から、素直に、彼女を美しいと思ったからだ。

彼女の長く波打つ胡桃色の髪は、薄いグリーンのシンプルな作りのドレスによく映えていた。

ハッとするほど白い透明感のある肌に、薄桃色の愛らしい唇。

そして何よりも、吸い込まれるほどに美しいあのエメラルドグリーンの瞳。

まるで百年の時を生き抜いたかのような、神秘的かつ聡明な魅力的な眼差しを向けられると、デズモンドの身体の奥が我を忘れたように熱くなる。

どうして彼女だけ、自分の目にはこうも美しく見えるのか。

抱いたときも、ひたすら彼女は美しかった。

だがそれは、性欲が湧き起こす錯覚なのかと思っていた。

ところが彼女は、性欲を抜きにしても、ひたすら崇高な美しさを放っている。
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