9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
白く艶かしい肌、恥じらう瞳、甘い声、柔らかで心地よい手触り。

もう一度彼女に触れたいと思わなかった日はない。

そのうえ、次期皇帝の立場を担ってから不眠に悩まされていたが、彼女を抱いた日は記憶が飛ぶほど眠ることができた。

彼女との閨事はきっと、デズモンドにとっての妙薬なのだ。

だがデズモンドは、エンヤード城にセシリアを迎えに行って以降、彼女には触れないように意識してきた。

デズモンドの正体を知ったとたん、彼女が怯えるような態度を取るようになったからだ。

(エンヤード王国で、あらぬ噂を立てられているのかもしれないな)

デズモンドは、これまで戦場で派手に暴れ回ってきた。

敵国にしてみれば、悪魔の所業でしかないだろう。

それがきっかけで、冷徹だの、残忍だの、はたまた女狂いとまで言われていてもおかしくはない。

噂とは、得てしてそういうものだからだ。
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