9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
そこにいるだけで活力がみなぎるほどの清々しい女なのに、役立たずと無下にするなど、エンヤード城の人間は随分と見る目がない。

「はい。おそらく、彼女の身分が低いことと、魔法が使えないことが原因だと思われます。加えて王太子にとことん嫌われていましたからね。周りの彼女への態度も、自然と冷ややかになったのでしょう」

「そうだったのか」

あのつつましやかな女の正体が、エンヤード王国の聖女であり、王太子の婚約者だと知ったときは、驚いたものである。

デズモンドの知る限り、権力を持った女は、高慢な態度になりがちだ。

だがセシリアには、そういった様子はまったく見受けられなかった。

城でひどい扱いを受け、心が傷ついていたならある意味頷ける。
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