9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「そのような環境で長い間お過ごしになられていたので、セシリア様はおそらく、自信を喪失されています。つらいお気持ちに寄り添い、あなたにはセシリア様が必要だと上手に伝えれば、きっと心を開いてくださるのではないでしょうか?」
ベンジャミンの声を聞きながら、デズモンドは以前のセシリアとの会話を思い出していた。
――『私、魔法が使えないのです』
(唐突に何を言い出したかと思えば、そういうことだったのか。魔法が使えない自分を、俺が見限ると思ったんだな。魔法が使えないことで、エンヤード城では蔑ろにされてきたから)
彼女ほどの女を長い間そばに置きながら、手ひどく扱い、心をも掻き乱したあの王太子に今さらのように怒りが込み上げる。
ベンジャミンの声を聞きながら、デズモンドは以前のセシリアとの会話を思い出していた。
――『私、魔法が使えないのです』
(唐突に何を言い出したかと思えば、そういうことだったのか。魔法が使えない自分を、俺が見限ると思ったんだな。魔法が使えないことで、エンヤード城では蔑ろにされてきたから)
彼女ほどの女を長い間そばに置きながら、手ひどく扱い、心をも掻き乱したあの王太子に今さらのように怒りが込み上げる。