9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
 セシリアの今の状態は、いわゆる『ハブにされている』というものなのかもしれない。

だが九度も人生をやり直し、そのたびに想い人から辛辣な言葉を浴びせられてきた身としては、まったくと言っていいほどどうでもいい。

セシリアはデズモンドに向けてにっこりと微笑んだ。

「平気ですわ、美しいお妃様方にとって、私のような者が目障りなのは当然のことですし。だから、心配なさらなくとも大丈夫です」

するとデズモンドが、いぶかしげに片眉を上げる。

「当然のこと? なぜそう思う?」

「なぜって、それは……」

――『君のような身分の低い者には、触れたくもない』
――『まだ魔法も使えないのか? 聖女の名が泣くな』
――『一度でいいから役に立って、俺の顔を立てて欲しいものだ』

過去に繰り返し聞いたエヴァンの声が、耳によみがえる。
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