9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
世界の長い歴史においても、操れる者は数えるほどしかいなかったようだ。

そのうえひどく魔力を消耗するため、頻発すると身体に負荷が掛かり、死んでしまった者が大半らしい。だから、くわしい情報はほとんど残されていない。

自分が扱える魔法が自らの命を脅かしかねないと知って、セシリアはそれ以降、もう二度と時空魔法を使わまいと心に決めた。

だが結果として、九回も使う羽目になってしまう。

それは、エヴァンの命を救うためである。

どんなに冷遇され、浮気をされ、蔑ろにされようと、セシリアにとってエヴァンがこの世で一番大切な人であることは変わらなかった。

――彼は、生まれて初めてセシリアに優しさを教えてくれた、唯一無二の人だから。



エヴァンとの出会いは、セシリアが聖女になる一年前、九歳の頃に遡る。

あるときランスロ―子爵家に、エンヤード王室からガーデンパーティーの招待状が届いた。
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