9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「そうだな。一緒に過ごした時間は、まだわずかだ。それでも、分かるものは分かる。一度肌を重ねたからかもしれない」
唐突に禁句のようになっていたあの夜のことを持ちかけられ、セシリアは首のあたりまで真っ赤になる。
彼の顔が直視できなくなって視線を背けると、膝の上に置いたセシリアの手に、伸びてきた手が重なった。
セシリアの白く頼りない手よりもひと回り大きい彼の掌は、ハッとするほど温かい。
「図書館主から聞いているぞ。君は毎日のように図書館に入り浸って、この国の文化や歴史を自ら学んでいるそうじゃないか。教育係も、君ほど才識豊かな生徒にはいまだ会ったことがないと称賛している。毎日茶会に興じているより、探求心を持って知識を蓄える女の方が、俺からしてみればよほど魅力的だ」
(それは、無駄に九回も人生を繰り返しているからだわ。望んだことではないけど、勝手にいろいろな知識が身に着いちゃったのよ)
唐突に禁句のようになっていたあの夜のことを持ちかけられ、セシリアは首のあたりまで真っ赤になる。
彼の顔が直視できなくなって視線を背けると、膝の上に置いたセシリアの手に、伸びてきた手が重なった。
セシリアの白く頼りない手よりもひと回り大きい彼の掌は、ハッとするほど温かい。
「図書館主から聞いているぞ。君は毎日のように図書館に入り浸って、この国の文化や歴史を自ら学んでいるそうじゃないか。教育係も、君ほど才識豊かな生徒にはいまだ会ったことがないと称賛している。毎日茶会に興じているより、探求心を持って知識を蓄える女の方が、俺からしてみればよほど魅力的だ」
(それは、無駄に九回も人生を繰り返しているからだわ。望んだことではないけど、勝手にいろいろな知識が身に着いちゃったのよ)