9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
先ほどからブレることなく、まっすぐにセシリアを見つめている碧空の瞳。
「俺も、魔法は使えない」
セシリアはみるみる目を見開いた。
彼はたしか、希少な暗黒魔法の使い手だ。
ループ人生で、オルバンス帝国と戦争が始まった際にその噂が瞬く間に流れ、エンヤード城の者たちが震え上がっていたのを覚えている。
「え? でも、暗黒魔法をお使いになるでしょう?」
「暗黒魔法? まさか、そのような噂をどこで耳にした?」
「エンヤード城です。オルバンス帝国の皇帝……皇太子はかなりの魔法の使い手で、暗黒魔法を巧妙に操ると」
「とんでもないデマだな。やはり噂というものは恐ろしい」
口角を上げて、面白がるようにデズモンドが言う。
「暗黒魔法を操れるのは、この国では、今は魔導士エンリケくらいだ。俺は暗黒魔法どころか、魔法をいっさい使えない」
「嘘……。本当ですか?」
「本当だ。君に嘘はつかない」
「俺も、魔法は使えない」
セシリアはみるみる目を見開いた。
彼はたしか、希少な暗黒魔法の使い手だ。
ループ人生で、オルバンス帝国と戦争が始まった際にその噂が瞬く間に流れ、エンヤード城の者たちが震え上がっていたのを覚えている。
「え? でも、暗黒魔法をお使いになるでしょう?」
「暗黒魔法? まさか、そのような噂をどこで耳にした?」
「エンヤード城です。オルバンス帝国の皇帝……皇太子はかなりの魔法の使い手で、暗黒魔法を巧妙に操ると」
「とんでもないデマだな。やはり噂というものは恐ろしい」
口角を上げて、面白がるようにデズモンドが言う。
「暗黒魔法を操れるのは、この国では、今は魔導士エンリケくらいだ。俺は暗黒魔法どころか、魔法をいっさい使えない」
「嘘……。本当ですか?」
「本当だ。君に嘘はつかない」