9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「パーティーはもう始まっていますわよ! さあ、行きましょう」

マーガレットはしなを作ると、ねっとりとした手つきで、エヴァンの腕に触れた。

不快感に背筋が泡立って、エヴァンは顔をしかめる。

「エヴァン様? どうかされましたか? ようやくあの偽聖女がいなくなったというのに、元気がありませんわね」

マーガレットはますますエヴァンに身を寄せ、腕を絡ませてくる。

その腕を、エヴァンは勢いよく振り払った。

「その話を、俺の前でしないでくれないか」

冷ややかな口調で告げると、マーガレットは驚いた顔を見せたものの、すぐにいつもの艶やかな表情に戻った。

「そうですわね。あんな女のことなど、考えたくもないでしょう。それにしても市井に出て男を漁るなど、考えただけで寒気がしますわ。聖女どころか、同じ女としてもおぞましい所業です。しかも異国の皇太子をたぶらかすなんて、本当に下衆な女ですわね」
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