9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
マーガレットが、大げさに身震いをする。

そんな彼女に、エヴァンは突き刺すような視線を向けた。

「その話をするなと言っているんだ。君は頭が悪いのか?」

辛辣な言葉を凍てつく声で放たれ、マーガレットはようやく口を閉ざした。

「パーティーには参加しない。ひとりで行ってくれ」

「ですが、エスコートを――」

「行くんだ」

有無を言わさぬ口調で言い切られ、マーガレットはふてくされた顔でその場から立ち去った。

ひとりになったエヴァンは、再びシロツメクサに視線を馳せる。

――『あなたは、ダリス神が遣わした聖人なのですか?』

初めて会った日の、セシリアの無垢な瞳を思い出す。

あの瞬間、おそらくセシリアはエヴァンに惚れたのだ。
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