9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
だから、屋根裏の倉庫から亡くなった母が娘時代に着ていたドレスを見つけたときは、心底ホッとした。

かなりの型遅れで、もとはオフホワイトだった生地がくすんでグレーのようになっていたけれど、それでもセシリアにしてみれば充分な代物だった。

アクセサリーは用意できなかったから、庭でシロツメクサを集めて、代用品の花冠をせっせと編む。

そして迎えた当日、

時代遅れのドレスに野花の花冠を着けているセシリアは、ティーパーティーに集まった貴族たちの笑い者になった。

『まあ、なんて汚いドレスなの!』
『王城に野花の花冠をかぶってくるなんて、非常識にもほどがありますわ。道化のつもりであんな恰好をなさっているのかしら?』

そんな嘲笑に対し、ランスロ―夫人は被害者気取りで疲れ切った顔を見せる。
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