9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
ある夜、いつものように部屋を訪れたデズモンドに、セシリアは後宮で起こった奇跡を話した。

「コレット・アッカ―ソン? ああ、父上のお気に入りの妃だな。そうか、彼女が最近若返ったと父上が言っていたのは、君が原因だったのか」

「コレット様は、とても素敵な御方です。私が本好きだと言うと、お礼にと、たくさん本をくださったのですよ」

ソファーの脇に積み上がった本に、セシリアは満足しながら視線を馳せた。

オルバンス帝国には、今まで読んだことのない本が無数にある。

王城内にある図書館には、専門書的なものが多いが、コレットがくれたのは戯曲や空想物語ばかりだった。

オルバンス帝国の歴史を垣間見ることができて楽しく、セシリアはすっかり夢中になっている。

大量の本を見ているだけで、ワクワクして、自然と笑顔になった。

「そうか、それはよかった」

すると、デズモンドの声の調子が、フッと変わった気がした。

視線を戻すと、熱っぽい眼差しを浮かべている空色の瞳と目が合う。
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