9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「ええ、まあ……」

コレットの言うように、もちろんレイディアとクリスティンを心配している。

若くてはきはきとした彼女たちが、病で床に臥せっている姿を想像しただけで、いたたまれない。

「お医者様がおっしゃるには、ただの風邪だから大丈夫だそうよ。ただ、今年の風邪は長引いて厄介なんですって。それから、頭痛が続くのが特徴みたいよ」

「頭痛ですか……」

嫌な予感に、セシリアは声を震わせた。

繰り返し人生の中で、エヴァンが戦死、もしくは呪いの力によって敵国に殺されたのは、五回目までだった。

六回目と七回目の人生では、オルバンス帝国への侵攻を防げたと思ったら、今度は疫病で死んでしまった。
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