9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
セシリアは、慌ててジゼルのもとに足を運んだ。

「申し遅れました、セシリア・サシャ・ランスロ―と申します」

「まあ、あなたがセシリア様なのね。皇太子殿下から話は聞いているわ」

セシリアを見て、品よく笑うジゼル。

その笑顔の神々しさに、セシリアはまた見惚れてしまう。

「薬学にお詳しくて研究所に出入りしてるって聞いたけど、本当だったのね! あなたとなら仲良くなれそうだわ。これからどうぞ、よろしくね」

明るく言い、がしっとセシリアの両手を握るジゼル。

「はい、こちらこそよろしくお願いいたします」

セシリアも、つられて微笑んだ。

(ほかの妃たちとはまるで違うわ。気さくで、自分を持っていらして、とても素敵な御方。それに、やっぱりデズモンド様とも仲がいいみたい)

デズモンドが彼女を気に入っており、正妃に望んでいるという噂も、自然と納得できた。
< 227 / 348 >

この作品をシェア

pagetop