9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
それでも、鈴のように愛らしい声を奏でるあの桜色の唇、そして白くなだらかな首筋、細いわりに女らしいふっくらとした曲線を描く胸元――。

そんなものに自然と目が行き、身体の奥が熱くなる。

「セシリア様、これで合っていますでしょうか?」

すると、各々で調合の模擬作業を行っていた薬師のひとりが、手を挙げてセシリアを呼んだ。

黒髪を後ろに撫でつけた、なかなか顔立ちの整った若い男だ。

セシリアは彼のもとに行くと、フラスコの中身を見て、弾けるような笑顔を彼に向ける。

「ええ、合っています。飲み込みがお早いですね! 素晴らしいです」

「いえ。セシリア様の教え方がお上手なのですよ」

照れたように、頬を赤らめる男薬師。

その様子を見ていたデズモンドの表情が、ムッとしかめ面になっていく。

そんな愛らしい笑顔を、気安く自分以外の男に向けないで欲しい。
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