9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
赤・青・緑・黄色・紫・白・ピンク色。七色の色彩で渦を巻くように着色されており、その色鮮やかさに、目が引き寄せられてしまう。

「あれはなんというお菓子なのですか?」

「あれか? 綿菓子だ。最近は色彩豊かなものが流行っているようだな。ちょっと待っていろ」

そう言うとデズモンドは、器用に人混みをくぐり抜けて、色鮮やかな綿菓子をひとつ手にして戻ってくる。そしてセシリアに差し出した。

「まあ、いいのですか?」

「ああ、君のために買って来たんだ」

「ありがとうございます」

うれしくなったセシリアは、さっそく綿菓子をちぎって口に運ぶ。

口のなかでふわふわと溶けて、とろけるほど甘い。思わず頬に触れ、満面の笑みを浮かべていると、こちらを凝視している水色の瞳と目が合った。

「ドレスを贈ってやったときよりよほどいい顔をするな」

セシリアの笑顔に、彼もなぜか満足そうである。
< 252 / 348 >

この作品をシェア

pagetop