9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
するとデズモンドは、何かをこらえるようにわずかに眉を顰め、それからまたすぐに唇を重ねた。

触れるだけだったキスが、甘く、艶めいたものに変わっていく。

「ん……」

キスの合間に、たまらず小さな吐息を漏らすと、そんなセシリアを労わるようにデズモンドの大きな掌が身体の線を辿った。

「セシリア……」

なだらかな首筋を滑り、背中を撫で、腰のあたりをさする。

それはやがて不埒な動きを見せ始め、もう一度身体を這い上って胸の膨らみに包み込むようにして触れた。

絶え間ないキスの音と、あの日の夜を呼び起こすような手の動きに、セシリアの身体の奥がとろけていく。

ようやく唇が離れると、互いの上がる息が混ざり合う。

デズモンドの顔が、見たこともないほど赤い。

その目にどこか焦燥めいたものが宿っていて、大人の余裕に満ちた、いつもの彼ではないかのようだ。

「君を前にすると、理性が働かなくなる」
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