9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「セシリア、無理だ。もうこれ以上、我慢できそうにない」

夢中で唇をむさぼりながら、服の上からセシリアの身体中に手を這わせていたデズモンドが、切羽詰まった声で言う。

それから彼は、セシリアの耳元で、甘く囁いた。

「……今夜、いつもより遅くに行く。あの日のように俺を受け入れてくれるか?」

はい、と声に出そうとして、デズモンドから与えられる熱で夢うつつだったセシリアは、唇を開きかけた。だが。

――『ジゼル様の後宮入りはいつなのかしら?』

まるで稲妻のように、いつか耳にした声が頭の中に降ってきて、身体を硬直させる。

高度な氷魔法を扱う、銀色の髪をした、まるで妖精のように美しい女性。

気づけばセシリアは、逃げるようにしてデズモンドから身体を離していた。

自分で自分の身をかばうように、両手で抱きしめる。

虚を突かれたように目を見開いている、まだ息の荒いデズモンド。

「――どうした?」

「あの、私……」

「何だ。言いたいことがあるなら言え」
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