9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「魔法は使えなくとも、かけられた可能性ならある」

デズモンドは歯を食いしばると、背後にいるベンジャミンに「エンリケを呼んで来い」と告げた。

魔力熱を判断できるのは、魔力が高い者でないと難しい。

魔法がからきし駄目なベンジャミンには難しいと判断してのことだった。

するとちょうどそこに、黒のドレス姿で部屋に駆け込んで来る者がいる。

ジゼルだった。

「セシリア様がお倒れになったですって!?」

自分によく似た兄の横をすり抜けると、ジゼルはベッドに横たわるセシリアのもとに駆け寄る。

「驚いたな。ジゼルがセシリア様と知り合いとは。性に合わないと言って、城に来た時も、後宮界隈はいつも避けて通っているのに」

ベンジャミンが、驚いたようにジゼルに言った。
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