9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「当然よ、風魔法で魔法研究所にあっという間に言って、至急薬を用意させるわ! あ、その前にセシリア様に治癒魔法をかけておくわね。気休め程度だけど、少しの間だけ体が楽になると思うから」

言うが否や、ジゼルは掌にオレンジ色の光の玉を出現させ、セシリアの頭部に浸透させた。

「これでよし!」

満足げに言った後、その姿はあっという間に立ち消えていた。

風魔法を使い、目に見えぬほどの速さで移動したのだろう。

王宮医師はすでに退室しており、部屋には、デスモンドとベンジャミンだけが取り残された。

セシリアの状態が回復すると知って、デズモンドはひとまずホッとした。

だが、どうしても解せないことがある。

「彼女は、どうして九回も時を巻き戻す必要があったんだ」

つまり彼女は、魔法が使えない聖女などではなかった。

希少な時空魔法を操れる、類まれなる聖女だったのだ。

「ん……」
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