9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「――エヴァン殿下を、お救いするためです」

セシリアの元婚約者、エンヤード王国の王太子、エヴァン・アイロス・ルーファス・エンヤード。

エンヤード城の謁見の間で見た、金髪にグレーの瞳を持つ美麗な彼の姿が頭に浮かぶ。

「人生を何度やり直しても、エヴァン殿下は若くして亡くなられてしまいました。聖女を伴侶にしたエンヤード王は、長生きするという言い伝えがあるのに……。そのうちその原因が、聖女である私が彼に愛されていないため、ダリス神の怒りを買っているからだと知りました。だけどどんなにやり直してもエヴァン殿下は死んでしまい、今回の人生で、私は聖女をやめる決意をしたのです……」

(そういうことだったか)

エヴァンを救うためには、聖女を辞めなければならない。

その手っ取り早い方法が、エヴァン以外の男に抱かれることだった。

つまり、エヴァンに嫌われて蔑ろにされ、嫌気が差したわけじゃない。
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