9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
デズモンドは震えるセシリアを強く抱きしめながら、壁際で尻もちをついているエヴァンをきつく睨み据えた。
「うわ~。やっぱり殴っちゃいましたか……!」
追いかけるようにして、戸口から黒のローブ姿のベンジャミンが姿を現す。
「汚れた手でセシリアに触れるな」
頭上から刺すようなデズモンドの声がした。
声の調子とは裏腹に、セシリアの髪を労わるように撫でるその手つきはひどく優しい。
エヴァンが、口の端からにじみ出た血を拭いながら、ゆっくりと身体を起こす。
口元には微笑が浮かんでいるのに、グレーの瞳はまったく笑っていなかった。
「来ると思っていたよ。今日もずっと俺たちのあとをつけていただろう? 俺のセシリアによほどご執心と見える」
好青年の仮面をはがしたエヴァンが、あざ笑うような口調で言う。
デズモンドがセシリアを抱く腕に、力を込めた。
「訂正しろ。彼女はもう、貴殿のものではない」
「うわ~。やっぱり殴っちゃいましたか……!」
追いかけるようにして、戸口から黒のローブ姿のベンジャミンが姿を現す。
「汚れた手でセシリアに触れるな」
頭上から刺すようなデズモンドの声がした。
声の調子とは裏腹に、セシリアの髪を労わるように撫でるその手つきはひどく優しい。
エヴァンが、口の端からにじみ出た血を拭いながら、ゆっくりと身体を起こす。
口元には微笑が浮かんでいるのに、グレーの瞳はまったく笑っていなかった。
「来ると思っていたよ。今日もずっと俺たちのあとをつけていただろう? 俺のセシリアによほどご執心と見える」
好青年の仮面をはがしたエヴァンが、あざ笑うような口調で言う。
デズモンドがセシリアを抱く腕に、力を込めた。
「訂正しろ。彼女はもう、貴殿のものではない」