9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「新たな聖女様は、あのフォンターナ侯爵家のご令嬢なのだとか。まだ六歳ゆえ殿下とは年が離れていますが、金髪碧眼の、それはそれは愛らしい聖女様ですぞ。そのうえ赤子の頃から高い魔力をお持ちで、すでに治癒魔法を操ることができるとか」
肝心なことを何も語らない最高司祭に、エヴァンは苛立つ。
ベッドから起き上がると、司祭の目前まで歩み、食らいつくようにして問いかけた。
「それよりも、なぜ伝聖が起こった? セシリアは生きているのだろう?」
「ええ。夜中に出かけておきながら、いけしゃあしゃあと、城に戻って参りました。これは限られた者しか知らない情報なのですが、伝聖は、聖女の死以外でも起こり得るのです。それはすなわち、ダリス神を冒涜することでございます」
「冒涜? セシリアは何をしたのだ?」
肝心なことを何も語らない最高司祭に、エヴァンは苛立つ。
ベッドから起き上がると、司祭の目前まで歩み、食らいつくようにして問いかけた。
「それよりも、なぜ伝聖が起こった? セシリアは生きているのだろう?」
「ええ。夜中に出かけておきながら、いけしゃあしゃあと、城に戻って参りました。これは限られた者しか知らない情報なのですが、伝聖は、聖女の死以外でも起こり得るのです。それはすなわち、ダリス神を冒涜することでございます」
「冒涜? セシリアは何をしたのだ?」