エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
彼の気持ちが離婚に向いていなくても、お互いの実家の問題があるから結果として別れることになるかもしれない。
それでも、澄夏の気持ちは正直に伝えた方が後悔なく前に進めそうな気がする。

「美味いな。今度からこっちに戻ったときはここに来ようか」

一哉が朗らかに澄夏に話しかけてきた。先ほどまでの深刻さはもうない。

「このサンドイッチも美味しくてお薦めなの。量が食べられそうもないときにでも頼んでみて」

元々小食な女性にもいいかもしれい。

そう考えた途端、真咲の顔が思い浮かんだ。

(そういえば、一哉さんは彼女を連れて帰省しているんだよね)

話し合いのときは、その件についても聞いてみたい。


「このあと、何か予定があるのか?」

ボリューム満点のハンバーグを満足そうに食べ終えた一哉は、食後のコーヒーを飲みながら澄夏にこれからの予定を尋ねてきた。

「あ、うん。友人と会う約束をしているの」

「そうか」

一哉は言葉にはしないものの、がっかりしているように見えた。

予定が無いと言ったら、どこかに誘われたのだろうか。

(いえ、私の勘違いかもしれない)

彼に好きだと言われて調子に乗ってしまっているのだ。
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