エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
彼の顔に困惑が浮かぶ。その様子に澄夏はじれったい気持ちになった。

「一哉さん、私には言わないで実家に帰ったことがあるでしょ? そのとき南雲さんも一緒だったんじゃないの?」

「え……どうしてそれを」

「先日お義母さまから聞いたの。私に秘密にしていたのは、南雲さんが一緒だったからじゃないの?」

「ち、違う! 確かに仕事で近くに出向いたときに寄ったが、俺ひとりだ。やましいことはない。話さなかったのは、澄夏が実家の問題で悩んでいるときに地元の話をするのがはばかられたからだ」

一哉は気を使い澄夏に言わなかったという。だけど素直に信じられない。

「……岩倉神社に南雲さんと行ったんじゃないの? 彼女のバッグについていた御守りは見覚えがあるものだったし、なにか意味があるように感じたけど」

「神社にはひとりで行った。南雲さんは無関係で彼女の御守りについては存在も知らない」

「……神社の件は私の誤解だっとたとしてもやっぱり無関係ではないと思う。だって私、南雲さんに直接言われたんだもの。彼女と一哉さんが特別な関係だって」

一哉は衝撃を受けたように息をのむ。

「まさか……」
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