エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
「分かってる。一哉さんが仕事に生きがいを感じていつもストイックに頑張っていることは。応援もしていたつもり」

「支えられていたよ。激務でも家では癒されていた。それなのに澄夏に甘えて、どんな気持ちで待っているかを思いやれなかった」

「忙しいのは結婚する前から覚悟していたの。お父さんにも、官僚の妻になるのだから覚悟しなさいと言われていたし。それなのに耐えられなくなったのは、一緒に過ごす時間が無かったからじゃなくて、心が離れていると感じたから。だから私は自分が不要な存在なんだって思ってしまったの」

「もし澄夏が許してくれるのならやり直したい。夫婦で過ごす時間が少なくても、ゆるぎない信頼関係を築けるように努力したいんだ」

「一哉さんは私に怒ってないの? 勝手に傷ついて出ていって、相談せずに離婚を決めて」

今思うとなんて勝手なんだろう。相手の気持ちも考えずに逃げ出すなんて。

「今回の件のショックは大きかったけど、澄夏に対しては怒っていない。怒りがあるとすれば自分自身にだ」

一哉の目は真剣で、彼が本心を言っていると信じられる。

「私は南雲さんとの関係も疑って、一哉さんを信じられなかったんだよ?」
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