エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
向こうに長居する必要があるとしても一旦戻るつもりだが、念の為冷蔵の中身をチェックしておき賞味期限が切れそうなものは冷凍した。

昨夜のうちにまとめておいた荷物の確認を終えたのは午前九時過ぎ。一哉が家を出てから一時間程経っていた。

「そろそろ出なくちゃ」

何時に着くと約束した訳ではないが、母が心配なので少しでも早く出たい。

レインコート代わりの薄いトレンチコートを羽織り家を出ようとしたそのとき、インターホンが鳴った。

(こんな時間に誰だろう)

そう思いながら応答すると、画面が映したのは思いもしない人物だった。

スーツ姿の若く美しい女性。夫の同僚の南雲真咲だ。

動揺して心臓がドクリと軋む。

彼女は一哉と付き合いがあると、澄夏に堂々と宣言した相手だ。他にも無礼と思う態度を取られた。

一哉の話では、彼女の虚言で過去も合わせて男女の関係にはなっていないそうだけれど、澄夏にとっては警戒せざるを得ない相手であるのは変わりない。。

その彼女がなぜ今ここにいるのだろう。

(一哉さんの指示で、忘れものでも取りに来たの?)
< 181 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop