エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
澄夏は諦めて溜息を吐いた。仕方なくエントランスのドアを開錠する。

今拒否しても真咲がすぐに帰るか分からないし、下手したら待ち伏せするかもしれない。

出かけようとしたときに捕まり、その場で強引に話を始められたらたまらない。

だったらさっさと言い分を聞いて、帰って貰った方がましだと思ったのだ。

真咲はすぐに部屋の前にやって来た。迎え入れソファに案内する。

彼女はいつかのように、慣れた様子で腰掛けた。澄夏も正面に座り、挨拶もそこそこに切り出す。

「お話とはなんでしょうか」

普通にしていようと思ったけれど、声が硬くなってしまった。

はっきり言って感じが悪い態度だが、真咲は気にした様子もなく、余裕そうに微笑んだ。

「奥様にお願いがあって来たんです」

「私にお願い? 夫の仕事と関係があるとは思えないのですが」

怪訝に思い問うと真咲は「ええ」と頷く。

「プライベートでです」

「……なおさら私がお役に立てるとは思いませんが」

「いえ。奥様にしか出来ません。担当直入に言いますが、須和さんと別れて欲しいんです」
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