エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
すぐに一哉に連絡をして今の出来事を伝えたい。

彼女の前ではなんとか冷静でいたけれど、どうしようもなく動揺しているのだ。

真咲の勘違いから来る暴走で、離婚なんてあり得ないと一哉にはっきり言って欲しい。

だけど仕事の邪魔はしたくない。それに感情のまま電話をして、もし彼が出たとしても誤解が生まれるだけな気がする。

今夜は顔を合わせることが出来ないのだし、こういった話は直接話し合わないと駄目だと言うことは以前の失敗で学習したのだから。



予想外の真咲の訪問で出発が遅れたものの、午後二時前には実家に着いた。

前もって連絡を入れておいたので、家政婦の中本和子が玄関まで出迎えてくれた。

「澄夏さん、おかえりなさい」

「ただいま帰りました」

「外はムシムシしているから喉が渇いたでしょう。冷たいものを用意しますね」

「ありがとう。お父さんは?」

荷物はとりあえず玄関に置いたままリビングに向かう。

「奥様の病院に行ったきりまだ戻りません。昼過ぎには戻るとおっしゃっていたんですが」

「そう……お父さんが病院に長居するなんて珍しいけど、お母さんは安心してそうだわ」
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