エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
部屋にひとりになると、澄夏は脱力してどさりとソファに座り込んだ。

(南雲真咲……一哉さんが以前話していた信頼出来る部下って彼女だったのね)

以前に一度だけ同僚の話題が出た。

『信頼できる部下がいるんだ。仕事も人柄も完璧で部下だけど尊敬している』

一哉はそんな風に最高の誉め言葉を口にしていた。彼が職場の話題を出すのは珍しいことだったのでよく覚えている。

頼りになる部下が居てよかったと、彼の話を聞いていたのだけれど。

たしかに真咲の容姿は完璧だった。でも人柄は……どうだろう。澄夏にとってはあまり良いと思えなかった。

彼女の言葉は悪意があるように感じたし、澄香の地元の御守りを隠しもせずに付けていたところと言い。

けれどそんな風に思うのは恋のライバルだからだろうか。

(でもライバルっていうのは違うかもしれない)

自分は妻で彼女は部下と立場が違う。ただ、一緒に過ごす時間は同僚である彼女の方が格段に多い。

激務の一哉は早朝に登庁して深夜帰宅する。きっと彼女も似たようなものだと思う。

(それに今だって一緒にいるのだし)
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