エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
話の切り出し方を考え居ると、予想より早く寝室のドアが開いた。

「こっちに居たんだ、もう寝るのか?」

パジャマ替わりのTシャツ姿の一哉の手には、ペットボトルのミネラルウォーターがあった。

「ううん。一哉さんに話があるの。時間はかからないから」

「話?」

一哉はスペースを空けて並んでいる彼のベッドに腰を下ろし、ペットボトルの蓋を開ける。

膝を突き合わせる形になった。どうやらすぐに話を聞いてくれるらしい。

「あの……しばらく実家に帰りたいと思って」

離れるのはお互いの為だけど、激務の彼を置いて実家に帰るというのは申し訳さを覚えて気まずさがこみ上げる。

彼はかなり驚いたようだった。

「しばらくって、二、三日って訳じゃないよな?」

「うん。戻る日は決めないで行きたくて」

一哉の表情が僅かに曇った。

「お義母さんの具合がよくないのか?」

「変わらずと言ったところ。心配かけてごめんなさい」

本当の目的を隠している罪悪感に心が疼く。

「いや、俺の方こそ、もっと気を遣うべきだったな。お義母さんの病院にも顔を出せなくて申し訳ない」
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