エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
「ごめん、離れがたくて強引なことをした」
一哉の声も掠れていて、彼が欲情していたのが分かる。
澄夏は小さく首を横に振る。
「澄夏、やっぱり……」
一哉がなにか言いかけたそのとき、甘い夫婦の時間を引き裂くような場違いな機械音が鳴り響いた。
澄夏も一哉も体をびくりと震わす。
「……ごめん」
彼は澄夏にそう言いスーツのポケットからスマートフォンを取る。
「はい」
先ほどまでの甘さや切なさの余韻は全くない彼の冷静な声がする。
《朝早くにすみません、南雲です》
受話器の向こうの声が漏れ聞こえてきた。もし名乗っていなくても誰だか分かっただろう。それ程忘れられない声の相手。南雲真咲。
起き抜けの澄夏とは違い、きりりとした声だ。一哉は澄夏をちらりと見てから口を開いた。
「大丈夫だ。なにかあったのか?」
《ええ。今日の答弁の件で追加で確認したいと大臣付きから連絡が。何時頃こちらに来れますか?》
「三十分後には着くと思う。データを揃えておいてくれるか?」
《はい、わかりました》
一哉の表情は険しいし、真咲も余計な発言はなくあくまでビジネスライク。
一哉の声も掠れていて、彼が欲情していたのが分かる。
澄夏は小さく首を横に振る。
「澄夏、やっぱり……」
一哉がなにか言いかけたそのとき、甘い夫婦の時間を引き裂くような場違いな機械音が鳴り響いた。
澄夏も一哉も体をびくりと震わす。
「……ごめん」
彼は澄夏にそう言いスーツのポケットからスマートフォンを取る。
「はい」
先ほどまでの甘さや切なさの余韻は全くない彼の冷静な声がする。
《朝早くにすみません、南雲です》
受話器の向こうの声が漏れ聞こえてきた。もし名乗っていなくても誰だか分かっただろう。それ程忘れられない声の相手。南雲真咲。
起き抜けの澄夏とは違い、きりりとした声だ。一哉は澄夏をちらりと見てから口を開いた。
「大丈夫だ。なにかあったのか?」
《ええ。今日の答弁の件で追加で確認したいと大臣付きから連絡が。何時頃こちらに来れますか?》
「三十分後には着くと思う。データを揃えておいてくれるか?」
《はい、わかりました》
一哉の表情は険しいし、真咲も余計な発言はなくあくまでビジネスライク。