エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
高校を卒業しても続けようと当たり前のように思っていたけれど、ある出来事がきっかけで気持ちに変化が生まれた。

地元に高速道路が通ることが内定し、市の経営者や市議会議員たちが盛り上がっていた時期があった。

新たな道路が出来て都会からのアクセスがよくなれば、有名企業の誘致も可能だ。

大がかりな商業施設やテーマパークなどの開発が進み、地域一帯が栄える。

一哉の家が経営する不動産会社はその恩恵をかなり受けられると、父は精力的に情報取集と営業活動などに勤しんでいた。

しかし結局、自然環境の破壊を危惧するグループの反対が激しかったのと、予算の関係で新たな道路の計画は立ち消えになってしまったのだ。

父の落胆は激しかった。不満も大きかったようで、地元の市議と話し合ったりと動いていたが結局計画の中止を覆すことが出来なかった。

一哉はあまり気にしていなかったが、市の財政は慢性的に苦しく、経済効果の見込める道路建設は多くの人が望んでいたプロジェクトだったのだ。

元気なく暗くなる人々を見るのは嫌だったが、いつもは誰よりも偉そうにしている父でもなすすべない様子で、諦めムードが漂っていた。
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