エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
「意外ですか? 昔から結構喧嘩はしていましたよ。父は本当に頑固で、頭ごなしな言い方をするから」

「うちも似た様な感じですよ」

「お互い苦労してるんですね。」

澄香が小さく笑った。少し緊張が解けて来たみたいだ。

「一哉さんが経済産業省に入られたのは、地方経済の活性化に興味があるからですか?」

「いくつか理由はあるけど、地元を豊かにしたい気持ちは大きいですね」

「だからいずれ政治家になりたいんですか?」

一哉を見つめる澄夏の目は、それまで恥ずかしがっていたとは思えない程真剣だった。

だから一哉も歩みを止め、しっかりと向き合う。

「将来の目標にしています。俺はその為に官僚を目指した」

「そうなんですね。目標に向かって努力する一哉さんを尊敬します」

澄香の表情が柔らかくなる。優しい笑みに一瞬見惚れた。

「……あくまで目標で、簡単ではないと分かってるけど」

「一哉さんなら大丈夫ですよ。陸上選手として活躍しながらあの大学に受かったんですから。官僚にもなれたんだし、絶対才能があります」

「いや、俺の場合は才能ってよりひたすら勉強したり練習したりで……」

彼女に褒められると柄にもなく照れてしまう。
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