もう一度会えたなら
 翌日、美紀が約束の時間に店に着くと、先に来ていた大希がテーブル席から手を上げた。
 オーダーをとりに来た店員に、すぐに出ることを伝えて断ると、大希は酷く落胆している様子を見せた。

 コーヒーを啜る大希はすでに涙目で、カップを置く手は小刻みに震えていた。その手元を見つめていると、テーブルにポタリと滴が落ちた。
 美紀が視線を上げると、大希は大粒の涙をこぼしていた。そして、人目も憚らず嗚咽をもらした。
 自分のした事を猛省し、詫び、許しを乞う大希を美紀はじっと見つめた。

 大希が初めてみせた涙だった。

 十分反省しただろう。これでチャラにしてあげよう。

「いままでありがとう」

 それだけ言って美紀は席を立った。

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