秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「……ただいま、メイサ。心配をかけた。だが、君のお陰で戻って来られた。正直、君がいなければ俺は夢に囚われたまま、戻ってはこられなかったろう。君に、救われた」
「ベランダであなたに『君のことは絶対に俺が守る』って言ってもらって嬉しかった。……私、決めていたのよ。今度は私がアズフィール様のことを、絶対に守ってみせるって」
「今度は? それはおかしい。俺は君に守ってもらったのはこれで三度目……いや、本当はもっとずっと多くを君に助けられている」
「そうだったかしら?」
 俺の胸から顔を上げたメイサは、涙の膜の張った目で俺を見上げ、よくわからないというように首をかしげた。
「今回の一件でよくわかった。俺は姉に存在を否定され、殺されかけた幼少期のトラウマを引きずって、この体たらくだ。剣技を磨き学問を収めても、俺の実体は昔と変わらず弱いままだ」
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