公爵の娘と墓守りの青年
「大丈夫、大丈夫。よくあるし、慣れてるから平気だよ」

リフィーアに笑い掛け、カイはビアンを見た。
相棒もカイをじっと見つめ、尻尾を小さく揺らした。
何の合図なのだろうか?
リフィーアは気になって、カイとビアンを交互に見つめた。

「文句を言いたそうだけど、却下だよ、ビアン」

この状況では不釣り合いな満面の笑みを浮かべ、カイはビアンに言った。

「文句って、ビアンさんは喋れないですよ、カイさん」

カイの言葉にリフィーアは呆れた声で言った。

「あはは……。とにかく、夜も遅いし、団体様がここに来る前にリフィーアちゃんはビアンと一緒に帰った方がいいよ」

先程までの笑顔と打って変わって、真剣な表情でカイは告げた。
彼が話している間にも、たくさんの呻き声が近付いているのが足音でも分かった。

「そ、そうですね……」

どんどん恐怖が募り、確かにカイの言う通りなので、リフィーアは従うことにした。
だが、少し腑に落ちないことがあった。
それは一緒に逃げようとしないカイのことだ。
よく分からないが、シャベルには不思議な力があるかもしれない。だが、カイ本人はどうなのだろう?
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