公爵の娘と墓守りの青年
あの呻き声を上げる団体様を先程のように、浄化出来るのか。
人ではないモノと初めて出くわしてしまったリフィーアから見ても、あのシャベルは一人を浄化するのが精一杯のように思えた。

「はい、俺のことは心配しなくていいから、リフィーアちゃんはお家に帰ろうね」

心配そうにじっと見つめるリフィーアに笑い掛け、カイは言った。言いながら、彼女の肩を後ろから押し、墓地から離すように歩かせる。

「あのっ、カイさん?!」

「後は自分の足で歩いて帰ろうね。ビアン、しっかりリフィーアちゃんの護衛をするんだよ」

それだけ言って、カイはリフィーアの肩を押すのをやめた。
カイの言葉に諦めたように、ビアンは鼻から息を出した。
そして、リフィーアの少し前に立ち、ビアンは彼女を気にかけるように歩き始めた。

「あっ、ビアンさん! 待って下さい!」

少しずつ離れていくビアンに慌ててリフィーアは後を追った。
離れていくリフィーアとビアンの後ろ姿を見送り、カイは近付いて来る団体様に目を移した。
木々の間から、重たそうな足取りで団体様がこちらへ近付いて来る。いつの間にか、こんなにも近くにいたことにカイは少しだけ驚く。

「――さて。リフィーアちゃんも帰ったことだし、ちょこっと頑張ってみようかな」

持っていたシャベルの金属部分を地に刺し、カイは口元に小さく笑みを浮かべた。
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