BeAST
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オーバーサイズのダメージジーンズに、黒のパーカー。
カランカラン、と扉を開けばこの間レジをしてくれた女のスタッフが近寄ってくる。
「いらっしゃいませ。確か先日いらした、灯織様、でしたよね」
上目遣いで俺を見上げる。
つか、多分この人160無いから仕方ない目線。
「はい。耀介の名前で予約してあるんすけど、もし丞さんが時間余裕あるなら用を済ませたくて少し早く来ました。」
「そうですね、30分後が予約されていたお時間ですもんね。真壁は今休憩中でして」
「あれ、灯織くんか」
その声の先を見れば、和さんが奥から出てきた。
「ども」
「あれ、今日は耀介じゃなくて灯織くんが来る日なの?」
「いや、耀介の名前で予約させてもらった」
「……もしかして、丞と何かあった?」
我ながら分かりますく、ピクッと体が動く。
「やっぱり。丞ってさ、普段煙草吸わないんだよ。でも極限に緊張してる時だけ吸うんだ。今、外でかなり吸ってるから、耀介と何かあったんだろうと思ってさ」
緊張、か。
耀介は、『俺からは必要なことしか話さなかったよ』としか言わなかった。
「でも、実際何かあったのは君で、それを耀介から何か言われてるってことかな?」
推理を始める和さん。
「まあ、そんなとこ」
首の後ろを摩り目線を逸らす。
逸らした先で、他の女のスタッフが脚立に乗って高い位置の棚に置かれた植物に水をあげているのが目に入った。