BeAST
「耀介の名前で予約した。客だけど」
「…時間早くない…?」
「いや、丞さんが出てくるまでは待っていようと思ってた。出てきたら、話したいことあったし、ちょっと早めに来た」
「仕事場来なくても、話したいって言ってくれればどこででも行ったのに…」
なんでこんなずっとテンション低いんだ。
「……何、俺来ない方が良かったか」
そう聞けば、バッと顔を上げる丞さん。
「それは違う!!!」
必死な顔で否定するのを見て、俺は驚いて思わず吹き出す。
「ははっ、必死だな」
それを見てムッとする丞さんは、再び俺の肩に頭を乗せて、腰を掴んでいた手を腹の方に回し抱き締める。
「……なあ」
和さんの声の方を見れば、口元を両手で覆って顔を赤くする女のスタッフたちが視界に入る。
あ、そうか。
「休憩室で話してきな?そろそろ、他のお客さん来るから」
「あー、あざす。丞さん、動けない」
スルッと腕を解く丞さんは、
「おいで」
すぐに背を向けて歩き出す。
また、その体温が離れることに寂しさを感じる。
スタッフの人たちにペコッと頭を下げ、丞さんの後ろを着いていく。
休憩室に着き、ソファに誘導される。
「コーヒーと紅茶あるけど、どっちがいい?」
「コーヒー、ブラックで」
「了解」