BeAST




「それなのに、灯織は平気そうで、俺の事より葉賀のこと気にするし」


「葉賀?」


「滑り落ちた女のスタッフの子」


「ああ。いや、そりゃそうだろ。」


「……葉賀も危なかったから助けようとするのは分かるけど、俺が支えなかったら灯織、頭か背中ぶつけてたんだよ?」



……前も思ったけど、丞さんって俺の事かなり心配するよな。


また、自分のこと大切にしてって話されんのかな。



「俺が居ないとこで危ないことしないで」



……?

それは、



「丞さんがいる所ならいいのかよ」


「仕方ないだろ。人救おうとするのが灯織なんだなって思うし。なら、俺がいるところでしてくれれば、俺も手伝う」



きゅうっ、と心が苦しくなる。

好き、か。


その言葉は、凄く、凄く救われる、丞さん。

喉から手が出るほど、欲しい包容力。

この人の、物になりたいとか、思ってしまう。

そんな思考回路が俺にもあるんだなと呆れる。



この優しさに微睡んでいたい。



「明日、柿谷柊吾と食事に行く。だから、エクステ付けるのお願いしに来たんだ。もし、明日空きがあるなら、スタイリングとメイクもお願い出来るか」



でも、今はまだ。




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