BeAST




「……は?」



丞さんの表情が崩れる。



「時間は18時に待ち合わせることにしたから、それまでであれば早い時間でもいつでも大丈夫。スケジュール、合うか?」



「…いや、待って。ちょっと、整理させて」



戸惑う丞さん。


丞さんに会うことを耀介に頼んだ日。

____


「何をしに会うの」


「髪やってもらう。あとメイクも」


「自分で出来るんじゃないの」


「出来る」


スマホを見ながら答える。


「なあ、まさか」


「耀介、フォローよろしくな」


ベッドから立ち上がる俺の腕を掴む耀介。


「嫌だね」


「俺も嫌だ」


「じゃあなんで」


「丞さんが苦しむ方が嫌だから」



俺は、結局俺でしかない。


そう思った。



___



「俺に会いに来てくれたんじゃないの」


縋る目。


「この前話して、分かってるつもり。灯織は、救いたいやつが沢山いるって。だから、俺は」


俺の手を握る丞さん。

その手を見下ろし、少しずつ表情をなくしていく丞さん。


『丞は1度心を閉じたら、もう1度その人に心を開くことはない』


それでいい。耀介の言う通りなら。


「分かろうとしようと考えてくれんのは、ありがとう。」




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