BeAST
パーカーの袖で涙を拭く。
「愛されて生まれてきた人間と、俺が同じなわけがない」
ふう、と息を吐く。
「やっぱすげえな、慎矢」
「……何がだよ」
「そばに居てくれてさんきゅ。落ち着いたから帰る」
「おい」
ベンチから立ち上がれば、腕を引かれる。
「ちょっと来い」
「え」
繁華街の入口。
でかいゲームセンターに入る。
「ここ」
「うちの系列」
ああ、そうだった。ボンボンだった。
そこからは、もう目まぐるしく遊んで、近くでたこ焼きを食べたりクレープを食べたり。
人が多いのに、スタスタと慎矢は歩くから、慎矢の服を掴みながら歩く。
流行りの映えるドリンクを並んで飲んだり。
何やってんだろ?って思うけど、でも、楽しかった。
「やば、腹いっぱいすぎ」
「何も凄かねえって分かったか」
「…え?」
繁華街の灯りで照らされている慎矢の顔を見上げる。
「お前が何を持って、俺の事をすげえって言ってんのか知らねえけど、こうやって学生らしく遊んでりゃ大差ねえって分かるだろ」
そっか。
それを示すためにここに来たのか。
そういうこと、じゃないんだけどな。
「ふ、あはは」
「は?何笑ってんだ」